詐欺にはさまざまな手口がありますが、騙す側から見てみると、「騙しやすい人」「騙されやすい人」は確かにいるようです。

そして、騙す側は、このような相手の心理を鋭く見抜いて、巧妙に金品を引き出させるように導いていきます。

 

被害に遭ってる人はみんな、「まさか自分が騙されるとは」と思っているでしょうね。

 

そして、いつの時代も、騙す人間ってのはいるわけで。

 

非常に身近で、一般人の興味をそそられる結婚詐欺を例にみてみましょう。

結婚詐欺は、異性に対して恋愛感情や結婚の意思がないのに、それをちらつかせて金品を要求するものです。

 

人を操るために、恋愛感情とか好意的な感情ってのは、いい意味でも悪い意味でも成功確率を上げますよね。

 

自分のファンになってもらえば、おそらく大概の言動は信用してくれるでしょうね。

 

そんな意味で、恋愛感情を抱いている人間を相手に行う結婚詐欺ってのは、これからも発生してしまうでしょう。

 

【目次】

1.結婚詐欺に遭う4つの理由

2.頭が良い人ほど騙される

3.雑感

 

 

1.結婚詐欺に遭う4つの理由

 

通常、結婚詐欺師がターゲットにするのは、ある程度貯蓄があり、結婚願望のある異性ですが、なぜ要求されるがままに大金を貢いでしまうのでしょうか。

 

好きって気持ちがあるからってのは、当然そうなんでしょうが、具体的な理由は何なのか。

 

その理由として、次の4つがあります。

 

1つ目は、お金によって相手の心をつなぎ止めたいという心理が働くことです。

お金を渡すことで、相手より優位に立てるという心理が働くのです。

 

お金=力という意識は、悲しいかなほとんどの人が、少ないながら持っていますもんね。

お金を渡すことで優越感に浸ってしまうんですね。

 

2つ目は、相手が女性なら母性本能が働きます。

結婚詐欺を働く男性の多くは、女性に甘えるのが上手で、子どもが母親に甘えるように接して金品を「おねだり」します。

女性はその「おねだり」に、つい応えてしまうのです。

 

相手の好意だけでなく、本能につけ込むという点では、非常に成果を上げやすいという反面、悪質といえますね。

 

3つ目は、詐欺師に対する感情移転もあります。

これは心理学用語であり、例えば相手と接していくうちに、次第に親兄弟など、大事な人に対するのと同じ感情を抱くようになることをいいます。

 

人が他人に抱く好意の程度は、その他人と接した時間と比例するようです。

 

仲が良いから、長く付き合うのではなく、長く付き合ってるから、仲良くなるってことですね。

 

つまり、付き合いを重ねていくうちに結婚詐欺師をまるで身内のように思うようになり、こうなると、もし相手に不信感を抱くことがあっても、なかなか訴えられなくなるというわけです。

 

4つ目は、「結婚前提」という常識に囚われていることです。

誰しも式や新居の準備など、結婚には何かとお金が必要だという認識があります。

そのため、結婚準備のためだと要求されれば、ついお金を渡してしまうのです。

中には元交際相手への手切れ金や、前妻との間にもうけた子どもへの養育費という名目でお金を要求するケースもあります。

 

この人と心置きなく付き合って、結婚するために、色々なものの清算に協力しなくては!と思ってしまうんでしょうね。

 

2.頭が良い人ほど騙される

 

さて、騙される人の多くは、「自分は騙されない」自信があるようです。

 

自分には、客観力も論理性もある、と思っている人とかですね。

 

こうした人こそ、繰り返し騙されます。

「1回騙されたから、もう大丈夫」とか「今度は相手を利用してやる」といった過信に落とし穴があります。

 

「1回騙されたから、もう大丈夫」ってのは何も根拠ないんですけどね。

むしろ、自分はターゲットにされやすい性格なんだ、と思って、注意するようになってもよさそうなんですけどね。

そうはならないようです。

 

ところで、騙されている人を周囲がいさめても、本人はなかなかそれを認めたがらない傾向にあります。

周囲は「なぜ気がつかないのか」とか「どうして騙されているのは明らかなのに、またお金を渡してしまうのか」と思ってしまうのですが、本人は耳を貸しません。

 

なぜでしょうか。

 

それは、自分が騙されていることを認めたくないからです。

このような心理状態を心理学で「防衛機制」の「否認」に当たると考えます。

 

防御機制とは、葛藤状況の多い現実とうまく折り合っていくために、日常的に発生する心理作用です。

 

防御機制のうちの「否認」とはつまり、自分にとって都合の悪いことが起きると、そうとは認めたくないという心理作用です。

もし騙されていることを認めてしまえば、自分の愚かさをも認めてしまうことになります。

プライドの高い人なら、それはなおさら認められないことになるでしょう。

 

そして、逆にいさめた人に対して「あの人はそんな人ではない」などとだました相手を弁護してしまいます。

騙す側は、このような相手の心理を巧妙に利用しているのです。

 

3.雑感

 

まずは、客観的に、事実のみに注視することが大事ですね。

 

あなたの財布から、相手の財布にお金が移動している。

その移動には、何の等価交換もない。

ただ自分が渡しているだけ。

 

色々な感情を一旦おいて、事実だけ取り上げてみれば、それが本当に合理的かどうか判断できるようなれば、一歩目の疑いをもつことができるでしょう。

956C6413-4FEA-4B5A-B462-FE5C756AB989