コロナ禍で売り上げが減った中小企業の関係者を装い、国の「家賃支援給付金」をだまし取ったとして、警視庁25日、経済産業省のキャリア官僚の男2人を詐欺容疑で逮捕した、との報道がありました。

 

国民からの税収で賄われる「家賃支援給付金」を、同じく税収から給与が支払われている官僚が、だまし取る、という、疲弊した国民の怒りを買う事件です。

国民の中には、コロナの影響で収入が減ったにもかかわらず、しっかりと税金を納めている人がいることからも、はらわたが煮えくり返っている人は多いのではないでしょうか。

 

ところで、今回は、詐欺容疑で逮捕に至っていますが、誰が被害者になるかというと、それは国です。

 

通常、詐欺と聞くと、高齢者であったり、情報に劣る個人などが思い浮かびますが、国だって騙されます。

 

よくあるのは、生活保護の不正受給ですね。

 

こういう、国や都道府県、市町村から支給される金銭については、申請の手続きがあるのが通常ですが、この申請において、嘘の内容を申請することで金銭を受給すれば、国などを騙して、お金を手に入れた、ということで、詐欺罪が成立します。

 

通常、こういう申請手続きは、誤って支給しないように、しっかりと手続きが整備されていたり、行政が確認・審査したりするのですが、今回は、少し事情が違いましたね。

 

コロナ禍ということで、収入が減った企業や個人をできるだけ迅速に補償しなければならなかったため、速やかに支給できるよう、手続きが簡略化されていたものと思われます。

 

そのため、綿密な確認をしている時間はなく、とりあえず必要書類が提出されていれば、支給していた、ということになるかと思います。

 

この審査の穴をついて、不正に受給しようとする者が現れるのは、皮肉ですが、ある意味想定の範囲内だったかもしれません。

 

今回の家賃支援給付金の他にも、持続化給付金の不正受給についても逮捕者が出ているという報道があります。

 

今回の官僚による不正受給は、その国家公務員という身分からみても、大きく取り沙汰されることになったのだと思いますが、不正受給自体は、まだまだ氷山の一角しかあらわになっていないのではないかと思います。

 

持続化給付金や家賃支援給付金の申請には、確定申告書の提出が必要になるので、不正受給者は虚偽の確定申告を税務署にしていることになります。

 

この辺の記録を追えば、不正受給した者を見つけることができるかもしれません。

 

ちなみに詐欺の公訴時効は7年です。

 

不正受給した人は、ビクビク怯えながら7年間経過するのを待つか、不正受給を告白して、返金し、自首するか、というところですね。

 

自首は、捜査機関に自分が疑われる前にしなければ成立しないので、自首は早めにしないとだめですね。