「なんか知らない荷物が届いた」「頼んだ覚えがない商品だったけど、代金請求された」なんてことを経験した人も多いかと思います。

それは「送りつけ商法」という悪徳商法かもしれません。

送りつけ商法とは、注文していない商品を、一方的に送りつけて代金を請求する手口の悪徳商法です。

令和の時代でもまだこんな手口が?!と思いますが、コロナの影響で在宅が増えた状況を狙って、むしろ送りつけ商法の件数は増えています。

送りつけられてきた商品をどうしたらいいのか?って感じですよね。

勝手に処分したら後で代金請求されるんじゃないか?とか。

でも、家で保管しておくのも負担になるし、送り主に連絡するのもメンドいし。

さて、どうしたものか、って感じですが、

結論から言うと、勝手に処分して大丈夫です。

届いたその日に、ゴミ箱へポーイッで全然OKです。

これが令和3年7月6日に施行された改正特定商取引法の内容です。

 

【目次】

1.改正前の送りつけ商法の対応

2.改正後の送りつけ商法の対応

3.具体的な対応

 

1.改正前の送りつけ商法の対応

 

これまでの法律だと、勝手に送られてきた商品は、受け取ってからすぐには処分できなかったんです。

受けっとった側で、14日間は開封せず保管しなければならなかったんです。

14日間経過すれば、処分できるんですが、その間は保管してなきゃいけないって結構ダルイですよね。

こっちが頼んだわけでもなく、勝手に送りつけといて、14日間も保管しなきゃいけないって、おかしいですよね。

改正前の特定商取引法

59条 (売買契約に基づかないで送付された商品)

1 販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。

2 (以下略)

相変わらず、法律の条文って読みにくいですね。

これってつまりは、勝手に商品を送りつけてきた場合、送ってきた側は、14日間は、返還の請求をできるよっってことです。

つまり、裏を返すと、送ってきた側が、14日間は返還を請求することができるので、その間は、受けとった側は、商品を保管しといてね、処分しないでねってことです。

14日間とはいえ、処分できないってのはメンドいですよね。

 

2.改正後の送りつけ商法の対応

 

この14日保管ルールが、改正により、無くなりました。

改正された法律が適用されるのが、令和3年7月6日からなので、これ以降に送りつけられた商品が対象となります。

極端に言えば、受け取ったら、捨ててもいいし、勝手に使ったり、食べたりしても大丈夫です。

送った側は返還請求することができないので、弁償ってこともありません。

改正後の特定商取引法

59条 (売買契約に基づかないで送付された商品)

1 販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申し込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合には、その送付した商品の返還を請求することができない。

2 (以下略)

 

59条の2(新設)

販売業者は、売買契約の成立を偽ってその売買契約に係る商品を送付した場合には、その送付した商品の返還を請求することができない。

これまた読みにくいですが、勝手に送りつけてきた商品について、送った側は「返せ」って言えないよってことです。

だから、受け取ったらもう処分しちゃって大丈夫です。

例えば、「不要な場合は返送してください。送料は元払いで。」とか、「返送がなければ購入したとみなします」とか書かれてても大丈夫です。

いらないモノだったら捨てちゃいましょう。

 

3.具体的な対応

 

このように、送りつけられた商品は、すぐに処分してしまって問題ありませんが、無用なトラブルに巻き込まれないためには、不審な、詳細不明な宅配便などは受け取らない、という方法が一番良いでしょう。

特に、代引き等でお金を支払ってしまうと、たとえ法的手段を取ろうとしても、現実的にお金を取り返すことは難しいですし、時間もかかります。

それでも、例えば、家族の誰かが注文したモノの可能性もあります。

その際は、受取保留にしましょう。

そうすれば、不在扱いになるので、もしも正当なモノであれば、再配達の依頼ができます。

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