元タレントの木下優樹菜さんが2021年7月26日、インスタグラムのストーリーズを更新し、前夫の藤本敏史さんと離婚後も姓が「藤本」のままでいることについて、言及しました。

 

木下さんに関しては、一般的には「木下」で定着していたと思われますが、確かに、よく考えたら、結婚で「藤本」に変わってたんですよね。

 

木下さんはストーリーズに名前の欄が「藤本優樹菜」となっているPCR検査の診断書の写真をアップしました。

 

ファンからの「まだ藤本なのね!」というコメントに対し、「そう!ただただパスポートとか免許証とか手続きだるいから元旦那と話して 変える時がきたらいっぺんに変えりゃいいよねー」などと説明しています。

 

なんとなく木下さんのキャラがでている返答で安心します。

 

離婚後もさまざまな事情で旧姓に戻さない人は多くいるようです。

 

離婚当時、旧姓に戻さず、離婚から数年経過した時点で旧姓に戻すことは可能なのでしょうか。

 

【目次】

1.姓を変更するには「やむを得ない事由」が必要

2.あとから旧姓に変更することも可能

3.変更が認められやすい場合もある

 

1.姓を変更するには「やむを得ない事由」が必要

 

姓を変更するには、戸籍法1071項に基づき、家庭裁判所の許可を得て、市区町村に届出をする必要があります。

 

家庭裁判所の許可を得るには、「やむを得ない事由」が必要となります。

これは、氏が個人の識別手段となっている日本社会において、安易に氏の変更を認めると混乱が生じるため、それを防止する目的で求められている要件です。

 

今まで「山田」を名乗ってた人が、急に「樽美酒」とかになったら、周囲の人は困りますよね。

 

そのため、「やむを得ない事由」があるかどうかは、一般的に、氏を変更する必要があるかどうかなどの申立人側の事情に加え、氏の変更を認めることに社会的な弊害がないか、申立人に濫用的意図がないかなど、呼称秩序維持の観点から検討されることになります。

 

2.あとから旧姓に変更することも可能

 

もし、現在の姓を使用して長期間が経過し、社会的に定着していると言える場合は、後者の観点から、判断が厳しくなると考えることができます。

 

しかし、離婚後、時間の経過とともに事情が変わり、旧姓に戻したいというケースは少なくないと思われます。

 

お子さんがいる場合は、特に、すぐには旧姓に戻さないってことがありますね。

お子さんがまだ小さいと、親子で苗字が異なるのは、確かに抵抗ありますよね。

 

民法は離婚によって旧姓に戻ることを原則としている(民法7671項)ことから、旧姓に変更する場合は、一般の氏の変更の場合よりも要件を緩和して解釈することを許容するとする裁判所の決定もあり、旧姓への変更は他の変更事例と比較すればハードルは低い傾向があります。

 

全く違う姓に変更するわけではなく、元々の姓に戻るわけですからね。

旧姓で活動していた期間がもちろんあるわけですから、社会的な影響が、比較的少ないってことですね。

 

選択的夫婦別姓制度への関心が高まり、生まれたときから使用している姓を大切にしたいと考える人が多いこともわかってきていますので、この傾向は今後も続くと思われます。

 

3.変更が認められやすい場合もある

 

婚姻時の姓を名乗っていた期間が短く、それを使用していた範囲が限定されている場合は、その姓が社会的に定着していると言えないので、変更が認められやすい事情と考えられます。

 

やはり、姓という呼称は、社会においては、とても重要ですね。

 

一方で、申立人が離婚後15年以上婚姻時の姓を称してきたケースで、「やむを得ない事由」があるとして、氏の変更を認めた例もあります。

 

この例では、その姓が社会的に定着しているとしながらも、離婚時に幼かった子どもが大学を卒業したことや、申立人が両親と同居して旧姓のついた屋号で近所づき合いをしており、家業を継ぐことが予定されていることなどを理由で変更が認められました。

 

このように、婚姻時の姓を長年使用してきても、子どもが成人して子どもと同じ姓を維持する必要がなくなった場合や、社会生活の中で旧姓にする具体的な必要性が生じた場合は認められやすい理由と言えます。

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