めっきり気温が下がって、ナポレオンすら勝てなかった冬将軍に、毎年、ボロ雑巾のように敗北しているヨミトです。

 

人間とは、恒例であったり、前例に従って生きていくことが多いと思います。

 

【目次】

1.最高裁判例集に誤りがあることの重大性

2.雑感

 

1.最高裁判例集に誤りがあることの重大性

 

「最高裁判例集」に多数の誤りが確認されました。

「最高裁判例集」というのは、これまでの最高裁判所の判決のうち、重要な判断をした裁判を集めたものです。

 

この「最高裁判例集」に掲載されている判決は、総数8400件となりますが、有名な判決12件に約120件の誤りが見つかったとのことです。

 

最高裁判例というものは、重要な法律判断を下しているものであり、後の裁判での判断にも影響を与えます。

弁護士も、裁判官も、基本的には、最高裁判例の判断に従って、主張や判断をします。

 

これまで、何年も裁判は、このように進んできました。

 

それが、今回、多数の法律家が引用、参照したであろう最高裁判例集に、誤りが見つかってしまいました。

なぜ、誤りが発生してしまうのかというと、結局、人の手で、書き写してきたからでしょうね。

どんなに優秀な人間でも、このようなミスが発生する可能性をゼロにすることはできません。

 

誤りを指摘された裁判所の人たちの狼狽は、計り知れないものでしょう。

血の気が踵までひいたのではないでしょうか。

 

これでは、判例集全体に対する信用が揺らいでしまうでしょう。

 

上記に記載したように、最高裁判例は、後の裁判所の判断を縛ります。

そして、判例集は判決原本に代わる公式資料です。

裁判の当事者は、法律的な主張をする際には、最高裁判例を引用します。

最高裁判例は、一言一句にまで意味があり、重要なのです。

 

判例に影響を与えるのは、裁判などの法律実務だけではありません。

大学での法律学においても、教授は、最高裁判例をもとに、授業をし、試験問題をつくり、研究を行います。

法律学の研究、教育の場では、「最高裁判例が掲載されている判例集は正確なものである」ということが当然の大前提であり、いちいち疑っていては、研究、教育が滞ります。

 

今まで、最高裁判例集を使用していた教授は、すっかり白くなった頭をがっちり抱えたことでしょう。

 

2.雑感

 

「人の作業には必ずミスが発生する」

 

それは、どれだけの人数の人間が、ダブルチェック等で関わっていたとしてもです。

このような考え方を前提としなければ、今後も、似たような事例が発生することでしょう。

ヒューマンエラーを甘くみてはいけません。

 

「今後気を付ける」とか「しっかりやれ」とか言っても、結局、人間が作業をする以上、ヒューマンエラーは避けられません。

 

大事なのは、個々人の意識を変える事ではありません。

人間の意識を過大評価してはいけません。

それが、社会的に、どれだけ優秀と言われている人であっても。

 

大事なのは、ヒューマンエラーが発生しないシステムを考えることです。

 

特に、裁判所は、コンピューターやITを使ったシステムの構築が急務です。

いまだにFAXを主力として使用している裁判所には、これを機に、データでの書面提出を急いでほしいですね。