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上司や先輩の指示命令に逆らえる人ってそんなに多くないですよね。

やりたくないなぁと思っていても、反論できないから、しぶしぶ従ってしまう、そんな経験がある人は多いと思います。

自分では間違っていると思っていることでも、上の立場からの命令がくるとやってしまう。

 

本当は、自分が正しいと思う意見を言って、反論したい、と思っているのに、上司に逆らえないのはなぜなのか?

 

実は、心理学では、人は権威によって命令されると、正しくないと分かっていても、その命令を実行してしまうことがある、ということが分かっています。

 

これは、ミルグラムという学者が、「アイヒマン実験」で明らかにしました。

【目次】
1.平凡な人間でも、残酷な大量殺人犯になり得る

⑴ アイヒマンという、平凡な大量虐殺犯

⑵ 誰でも、アイヒマンになり得る

2.人は権力のある役割を与えられるとその権力を利用しまくる

⑴ 明確なパワーバランスは、人を変える

⑵ スタンフォード監獄実験に対する評価

 

1.平凡な人間でも、残酷な大量殺人犯になり得る

 


⑴ アイヒマンという、平凡な大量虐殺犯

 

アイヒマンとは、ナチス政権下において、ユダヤ人の強制収容所移送の指揮を執っていた人で、ユダヤ人の大量虐殺を現場で実際に指揮していた人物です。

このアイヒマン、どんな冷酷、残虐な人物なんだろう、と思いますが、裁判で明らかになったところだと、ごくごく平凡な公務員気質な人物だということが判明しました!

 

平凡な人物が大量虐殺を実行したなんて驚きですよね!

 

そこで、平凡な人間が、残虐な行為をなぜ実行するのかを明らかにするために、ミルグラムが行ったのが「アイヒマン実験」です。

 

⑵ 誰でも、アイヒマンになり得る

 

実験では、まず、本来の目的とは違った名目で参加者を集めます。

参加者は、教師役1名、生徒役1名のペアに分かれます。

教師役と生徒役は別々の部屋に通され、お互いの姿は見えませんが、部屋にはマイクとスピーカーがあるので、声は聞こえる状態です。

そして、教師役は、生徒役に対し、ごく簡単な問題を出題します。

生徒役は問題に回答していきますが、問題を間違えると、教師役が、生徒役に対し電気ショックを与えます。

電気の強さは、軽微なものから命の危険性もあるものまで30段階設定されていましたが、これは実はウソです。

生徒役も実はサクラです。

生徒役が間違うたびに、教師役は、研究者から促され、生徒に電気を与えるスイッチを押します。

電気が強くなるほど、生徒役は、演技ですが、悲鳴を上げ、「もうやめてくれ」と叫びます。

しかし、研究者は、教師役に、続けるように命令し、教師役が拒否するまで実験は続きます。

 

そうすると、結果的に、教師役40人中、26人が最大レベル、つまり死の危険があるレベルまで電気を流したのです!

 

これって驚愕ですよね!

教師役には、命令を拒否したって、何も罰はないんですよ!

 

人間って、命令されると、悪いことという理解はありながら、それを実行してしまうんです!

こわいですね・・・

 

でも、命令されたからといっても、その残忍性って、どこからくるんでしょうか?

 

人の行動には、役割が大きく影響しているようです!
それを検証がしたのが、「スタンフォード監獄実験」です。

 

2.人は権力のある役割を与えられるとその権力を利用しまくる

 


⑴ 明確なパワーバランスは、人を変える

 

「スタンフォード監獄実験」は、映画化もされた恐ろしい実験です。

 

この実験は、スタンフォード大学に設置された、本物のそっくりの模擬刑務所の中で行われました。

 

参加者は、心身ともに健康で、これま反社会的行為をとったことない、21名の平凡な学生です。

研究者は平凡な人間を探すのが上手ですね。

 

参加者たちは、ランダムに看守役と、囚人役に振り分けられます。

そして、模擬の監獄で、2週間、役割に沿って、行動してもらいます。

看守役は、実験中は、交代制なので、家に帰ることができますが、囚人役は、2週間の間、模擬監獄の中で過ごさなければなりません。

囚人役は結構しんどいですね。ツイてない・・・

 

そして、リアリティを出すために、看守役はサングラスと制服を着用し、警笛と警棒も支給されます。

囚人役は、名前ではなく、番号で呼ばれ、足には鉄製の鎖がつながれます。

 

こうして始まった監獄実験は、研究者の予想を遥かに超える事態へと発展していきました!

 

時間が経過するにつれ、看守役は囚人役に対して、命令的に、侮蔑的、支配的な言動をとるようになり、囚人役への精神的な虐待を行うようになったのです。

 

最終的には、禁止されていた暴力行為が発生したため、2週間予定されていた事件は6日間で中止になりました。

たった6日間で、人間は、これほど変わってしまうんですね!

 

⑵ スタンフォード監獄実験に対する評価

 

この実験から、人間は、他人を服従させることのできる役割を与えられると、その役割に染まり、残忍なふるまいを行うことが判明した、と言われています。

 

でも、実は・・・・

 

近年では、この実験に結果については、疑義が生じています。

 

というのも、実は、看守役は、自らの判断で、残忍な行為に出たわけではなく、研究者に指示されていた、誘導があった、と言われているのです。

 

このことから、この実験結果に対しては、疑問視する意見も上がっているようです。

 

ちなみに、このスタンフォード監獄実験を題材にした映画は、「es」(エス)というのですが、結構面白いです。

バイオレンス要素が多少あるので、それが平気な人は、一度ご覧ください。